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2008 年度 実績報告書

無脊椎動物の行動制御における「手続き」的脳内表示とその感覚種依存性

研究課題

研究課題/領域番号 18657025
研究機関北海道大学

研究代表者

高畑 雅一  北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (10111147)

キーワード甲殻類 / 手続き的脳内表示 / 条件づけ / 般化 / 感覚種
研究概要

アメリカウミザリガニHomarus americanusを実験動物とし、新たに開発したoperant chamberを用いて、レバー押し型のオペラント条件づけの可能性を実証するとともに、分化強化の可能性について検討した。動物を実験水槽に十分に慣れさせた後、水槽内の餌場に自発的に接近するようになるまで乾物ホタテ貝柱で誘導し、接近した場合に餌を与えた。この訓練が完了したのち、1セッションを30分としてレバーに対する自発的なはさみ行動の平均生起率(1セッションのはさみ回数/セッション数、以下BL値と呼ぶ)を確定した。次いでレバー押しに対して報酬を連合した。ここでは特に、1)セッションごとのはさみ回数の推移《獲得、消去、回復の傾向は観察されるか》および2)はさみ強度のスケジュール間比較《はさみ強度について分化強化手続きができるか》を調査した。強化閾値を変える前と後で、はさみ強度(各はさみ行動の最大応答値)の分布にどのような変化が現れるのか個体ごとに調べるに当たっては一般化線形モデル選択法を適用した。その結果、各セッションのはさみ回数は、獲得手続きではBL値以上で持続する傾向、消去手続きではBL値付近に徐々に近づく傾向、回復手続きではBL値以上で再び持続する傾向が、それぞれみられた。また、非随伴性強化ではBL値以上の割合は獲得手続きの場合以下であり、持続する傾向もみられなかった。これらの知見は、アメリカウミザリガニでオペラント学習が可能であることを実証している。また、強化閾値を上げたことに依存してはさみ強度が上昇し、強化閾値を変えない場合では、はさみ強度に変化はなかった。これらの結果は、分化強化が強化閾値の上昇に限って成立する可能性を示唆する。閾値下降については、新たな装置を開発して調査する必要がある。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Effects of active conductance distribution over dendrites on the synaptic integration in an identified nonspiking interneuron2008

    • 著者名/発表者名
      Takashima, A.
    • 雑誌名

      PLos ONE 3

      ページ: e 2217 (1-15)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Electromyographic characterization of walking behavior initiated spontaneously in crayfish2008

    • 著者名/発表者名
      Chikamoto, K.
    • 雑誌名

      Zool. Sci. 25

      ページ: 783-792

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Static electric field detection and behavioural avoidance in cockroaches2008

    • 著者名/発表者名
      Newland, P. L.
    • 雑誌名

      J. Exp. Biol. 211

      ページ: 3682-3690

    • 査読あり
  • [学会発表] ザリガニの自発性歩行運動開始にかかわる局所性脳内シナプス表現2008

    • 著者名/発表者名
      加賀谷勝史
    • 学会等名
      日本動物学会第79回大会
    • 発表場所
      福岡大学
    • 年月日
      2008-09-07
  • [図書] 昆虫ミメティクス〜昆虫の設計に学ぶ〜(下澤楯夫・斜山孝彦篇)2008

    • 著者名/発表者名
      高畑雅一
    • 総ページ数
      1074
    • 出版者
      株式会社エヌ・ティー・エス

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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