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2006 年度 実績報告書

表面増強共鳴ラマン散乱法を用いたタンパク質の構造と機能の1分子解析

研究課題

研究課題/領域番号 18657046
研究機関東京大学

研究代表者

船津 高志  東京大学, 大学院薬学系研究科, 教授 (00190124)

キーワード1分子計測 / 1分子操作
研究概要

従来の技術では、生体分子内部の特定領域の構造変化や化学結合に関する情報を1分子レベルの高感度で検出することは困難であった。これを解決するため、本研究では、生体分子の特定の部位に光吸収物質を結合させ、表面増強共鳴ラマン散乱を利用して光吸収物質の近傍の化学結合に由来するラマン散乱の信号を1分子レベルで検出し、生体分子の局所的な構造情報を得ることを目的とした。この方式の有効性を確認するため、カテコールアミンの一種であるノルエピネフリン(NE)と蛍光誘導体化試薬4-fluoro-7-nitro-2,1,3-benzoxadiazole (NBD-F)とを結合させNBD-NEとし、この表面増強共鳴ラマン散乱スペクトルを観測した。さらに、NEの分解に伴う構造変化を観察した。まず、500μM NE溶液100μlに、40mM NBD-Fアセトニトリル溶液100μl、100mMホウ酸緩衝液(pH9.0)100μlを加え、60℃、5分間反応させ、氷冷した。また、NEを予め60℃、5分間放置して構造変化を起こさせた試料も同様の方法で蛍光誘導体化した。各々のサンプルを、上述のように銀コロイド溶液、NaClと混合させた後、スライドガラスに滴下し、ラマン散乱スペクトルを計測した。NBD-Fの吸収波長である488nmのレーザーにてサンプルを励起し、冷却CCDカメラを使用して積算時間5秒で表面増強共鳴ラマン散乱スペクトルを得た。NEをNBD-Fにより誘導体化することにより、表面増強共鳴ラマン散乱スペクトルを得ることができた。また、NEの分解に伴う構造変化を表面増強共鳴ラマン散乱スペクトルにより検出することができた。この結果は、低分子の生体分子に蛍光色素を結合させ、その表面増強共鳴ラマン散乱スペクトルを得ることにより、生体分子の構造変化を検出できることを示している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] DNA micropatterning on polycrystalline diamond via one-step direct amination2006

    • 著者名/発表者名
      Guo-Jun Zhang, Takashi Funatsu et al.
    • 雑誌名

      Langmuir 22

      ページ: 3728-3734

  • [雑誌論文] Label-free DNA sensors using ultrasensitive diamond field-effect transistors in solution2006

    • 著者名/発表者名
      Kwang-Soup Song, Takashi Funatsu et al.
    • 雑誌名

      Phys Rev E Stat Nonlin Soft Matter Phys. 74

      ページ: 041919

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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