研究課題
大腸菌PriAタンパク質は、停止した複製フォークを認識して結合する。PriAはN端180アミノ酸の領域にDNA結合ドメインを有し、停止複製フォークの構造を認識する。このDNA結合ドメインのN端側105アミノ酸内にDNA鎖の3'末端(three-prime terminus)を特異的に認識するポケット構造(TT pocket)が存在することを明らかにした。その高次構造をX線結晶構造解析で明らかにし、塩基配列非依存的な核酸末端の認識の構造的基盤を解明した。さらに、構造から予想される、核酸認識に重要なアミノ酸残基の置換により、3'末端認識が喪失した。現在これらの構造情報に基づき、同様な構造を有すると期待される構造をdata baseから探索することにより、他生物種、とくに真核細胞(動物細胞および分裂酵母)におけるTT pocketタンパク質の探索を行っている。また結合アッセイを用いて、in vitroにおける3'末端特異的な結合を指標に、期待される結合能を有するタンパク質の生化学的同定も行った。得られたタンパク質のMASS解析から、これらはヌクレオチド代謝に関与する酵素、およびアミノアシルtRNA合成酵素のひとつであった。これらは、いずれもヌクレオチドあるいは核酸に結合する酵素であり、DNA末端に依存した結合を示すことが説明される。現在、さらに結合活性を有する因子の探索をすすめている。また、PriA欠損株の機能相補を指標としたアッセイ系によるスクリーニングも計画している。また、PriA欠損株の機能相補を指標としたアッセイ系によるスクリーニングも計画している。
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