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2006 年度 実績報告書

精子ファクターを通して見る魚類受精機構の多様性とその進化

研究課題

研究課題/領域番号 18657075
研究機関東京大学

研究代表者

三谷 啓志  東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (70181922)

研究分担者 尾田 正二  東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 講師 (50266714)
キーワード進化 / 遺伝子 / 環境 / 動物 / 受精 / 精子
研究概要

本研究課題では、受精に関与する受精必須分子において、種間、種内における分子多様性の存在を解明し、遺伝子レベルの偶発的な変容が生殖隔離を引き起こし、種の分化を促進し得る可能性を証明することを目的とする。最近哺乳動物において精子ファクターとして同定された新規phospholipase CであるPLC zeta (PLCZ)は、受精の成立を左右する重要因子である。本研究によって、遺伝子レベルにおいて、タンパク質レベルにおいて多くの魚類の「PLCZ」がいかに多様化しているのかを明らかにし、さらにメダカ近縁種、種内集団を活用し、種間・種内でのメダカPLCZの多様性を明らかにすることにより、自然は意図的に「必要以上の」数の精子を生産し、もって意図的に受精関連遺伝子に変異をもった配偶子の出現を誘発し、生殖隔離を促進しようとしている、という仮説を検証する。トラフグ、ミドリフグ、イトヨ、メダカのPLCZの配列をゲノムデータベース上で比較し、哺乳類と比較してアミノ酸配列が大きく異なる領域が魚類間でも多型であることが分かった.そこで両者で高度に保存されているcatalytic domainをもとに魚類で広く利用可能な共通と期待できるプライマーを設計した。このプライマーを用いて、メダカ精巣からRNAを抽出しcDNAを合成し、RT-PCRによってPLCZの配列を決定した。また、シロサケ、ニシン、コイ、キンギョ、ゼブラフィッシュ、マコガレイ、ミドリフグの精巣を入手しcDNA配列を比較している。フグ2種、メダカの間で,アミノ酸配列が大きく異なる領域の塩基配列については、メダカ野生集団18系統由来ゲノムDNAからPCRによりシーケンスし、比較した。結果メダカの種内では,この領域に多型性は認められなかった。現在近縁種間での比較によりこの領域の保存性をより広範囲に確かめている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] The DNA sequence of medaka chromosome LG22.2006

    • 著者名/発表者名
      Sasaki, T. 他
    • 雑誌名

      Genomics 89・1

      ページ: 124-133

  • [雑誌論文] Functional characterization of visual opsin repertoire in Medaka (Oryzias latipes).2006

    • 著者名/発表者名
      Matsumoto, Y. 他
    • 雑誌名

      Gene 371・2

      ページ: 268-278

  • [図書] The Medaka Genome : Why we need the multiple fish models in vertebrate functional genomics. Genome Dynamics vol2.2006

    • 著者名/発表者名
      Mitani, H. 他
    • 総ページ数
      17
    • 出版者
      Karger Publishers Basel

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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