昨年度、10月以降のデータが論文になった(次ページ参照)が、予定していた研究日数がなくなって、研究そのものを打ち切らざるをえなかったので、今年度は続きのデータが取れるように最大限の努力をした。しかし、結果は惨憺たるものだった。 第一の敗因は、観察巣箱を天敵のオオスズメバチに襲われたことである。観察巣箱に侵入したオオスズメバチにより、マーク蜂の大半を殺害されでしまったので、マークを一からやり直すしかなかった。古株の働きバチをつくるために、約2か月前からマークを始めたが、二度もオオスズメバチの襲撃にあい、二度も振り出しに戻ってしまった。実験開始の10月10日には、最高齢の働きバチでも15日齢だった。 二度の侵入・大虐殺にこりて、入口に改良を加え、侵入は何とか防ぐことはできた。しかし、古株の外勤蜂がいないのが災いして、餌場の距離はなかなか伸びず、W1024の個体(19日齢)がようやく39mまでたどり着いたものの、その実験日の強風に阻まれて、それ以上の距離にはならなかった。 残り数日をW1024の餌場通いに費やしたが、今度はニホンミツバチの侵入に見舞われ、観察巣箱はパニックに陥って、データがとれる状況ではなかった。 昨年、「言語としての失格性」を見出したところなので、今年度、使えそうなデータにならなかったことが甚だ残念である。
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