• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

妊産婦のつわり症状における生理的多型性に関する生理人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18657084
研究機関福岡女学院大学

研究代表者

船津 美智子  福岡女学院大学, 人間関係学部, 教授 (20261117)

キーワードつわり期 / 産後 / 嗜好性 / ストレス / 色彩 / 味覚 / 臭い / つわり症状
研究概要

1.つわり症状に影響がある因子は「人間関係関」、次に「身体状況」「周囲環境」「勤務状況」であった。
2.ストレスを感じることでつわり症状に影響があった顕著な項目は出産の不安度、および周囲からの出産への期待度であった。出産の不安度と期待度はいずれも流産経験数と正の相関があり、出産への不安度が高い妊産婦ほど1日のつわり症状時間が長いことがわかった。周囲の相談者数、医療関係者数と出産の不安度には負の相関が認められ、人間関係では医療従事者とのコミュニケーションがつわり症状の緩和になることがわかった。
2.つわりの顕著な症状の吐き気は色彩、臭気と関わりがあり、食事内容と関わっていた。78項目の食物嗜好調査結果では、60%以上の妊産婦が食べやすいとした食物の5位までが果物であり、食べにくいとしたのはいずれも臭いが強い食物であった。
3.食物の色彩、臭い、味の関係を、つわり症状がある妊産婦についてつわり中と出産後の嗜好変化による環境評価の移行について追跡調査を行い、つわり症状の特性と緩和のための対応について検討を行った。つわり期と出産後の妊産婦の色彩嗜好変化で有意差が認められたのは、中明度、高彩度の紫、高明度、低彩度の青、白であった。紫はつわり期には嗜好性が高かったが、出産後には低下した。また、青、白はいずれも出産後には嗜好性が高くなった。食べものと色相の相関についてみた結果、嗜好性が高い色相の紫と食物のブドウ、また、嗜好性が低い色相の白と食べにくい白米に傾向はみられたが、相関は認められなかった。ブドウが好きな妊産婦は橙色の嗜好性が高かった。橙色には積極的な気分を与えるとする相関がみられた。
4.つわり期と出産後のPOMSによる気分調査の6項目中では緊張と混乱の2項目には出産後には改善され、有意差が認められたが、怒り、抑うつに出産後の改善の有意差は認められなかった。つわり期における色彩と気分の相関では、彩度が高い赤、紫、黄緑などが「積極的な気分」「陽気な気持ち」「他人の役に立つ気がする」などの積極的な気分と正の相関が認められた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 妊産婦環境がつわりに与える影響-つわり期と産後における嗜好変化-2008

    • 著者名/発表者名
      船津美智子
    • 雑誌名

      日本生理人類学会誌 13

      ページ: 46-47

  • [学会発表] 妊産婦環境がつわりに与える影響-つわり期と産後における嗜好変化-2008

    • 著者名/発表者名
      船津美智子, ら
    • 学会等名
      第59回日本生理人類学会大会
    • 発表場所
      実践女子大学香雪祈念館
    • 年月日
      2008-10-18

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi