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2008 年度 実績報告書

蒸散誘起による作物の塩水潅漑

研究課題

研究課題/領域番号 18658006
研究機関岡山大学

研究代表者

津田 誠  岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (30144231)

キーワード塩水灌漑 / 蒸留式 / 太陽放射熱 / 作物栽培 / 農業用水 / 水資源
研究概要

不足する農莱用水を確保するために作物の根域に塩水など水質の悪い水を与える万法の検討を目的とした.本年度は太陽熱を用いて塩水から取り出した淡水を作物に供給し,栽培する方法を研究した.
本装置は基部の塩水の貯水槽と上部の土壌,およびその間の空間からなる.貯水槽は透明で内部に炭を入れるか黒色にすることによって太陽放射熱の吸収を高め,熱によって塩水から水だけが蒸発しやすいようにした.一方,上部に配置された土壌は不織布で支持され,水蒸気が結露後土壌に吸着されるようにした.
透明な貯水槽に炭を入れた装置では,土壌の水吸着量は炭あるいは塩水の量に影響を受け,炭と塩水の量が少なく空間が多くなると水吸着量が低下した.一方,黒色の貯水槽を用いた場合には塩水の量および空間の大きさにほとんど影響を受けなかった.したがって,淡水の回収という点で炭を入れた透明な容器より黒色の容器のほうが安定していた.
上部の土壌に吸着する水の量は塩水の供給開始からしばらく土壌の量に影響されたが,時間の経過にともない吸着量は土壌の量に関係せずほぼ同じ量で安定した.コムギの種子を播いた試験では,出芽は土壌の量が少ないほうが早かったが,その後枯れやすく,最終的に土壌の多い方で出穂,開花,登熟が認められた.
直径は同じで長さの異なるパイプで貯水槽を作成し,貯水槽の大きさが作物の成長などに及ぼす影響をみた.安定的な土壌の水吸着量は貯水槽の大きさに影響されなかったが,コムギの出芽は長さ20cmの貯水槽より,1m以上のもので明らかに改善されたが,貯水槽がそれ以上長くなってもコムギの出芽およびその後の成長に影響はなかった.
以上のことから,土壌の量をさらに増やし,貯水槽の色は黒色とし,その大きさは土壌の量と対応したものとすると作物の栽培がより安定するであろうと考えられた.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 蒸留式塩水濯漑2009

    • 著者名/発表者名
      津田 誠
    • 学会等名
      日本農業気象学会
    • 発表場所
      福島県郡山市
    • 年月日
      20090326-20090327

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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