研究課題/領域番号 |
18658016
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
佐野 輝男 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (30142699)
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研究分担者 |
宇野 忠義 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (20271794)
藤田 隆 弘前大学, 農学生命科学部, 助手 (90003524)
田中 和明 弘前大学, 農学生命科学部, 助教授 (60431433)
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キーワード | リンゴ / 慣行防除 / 無農薬栽培 / 微生物群 / 一括診断 / 遺伝子解析 |
研究概要 |
(1)リンゴ樹に表生・内生する微生物群の収集、同定、遺伝子分離と保存 弘前大学藤崎圃場の無農薬栽培園リンゴ、同圃場慣行防除園リンゴ、及び弘前市相馬地区の慣行栽培園リンゴの3点から、5月下旬、6月上旬・下旬、7月上旬・下旬、8月上旬・下旬、9月上旬の計8回、葉を採集した。葉表面を洗浄除菌後、洗浄した葉及び洗浄液(遠心濃縮)を暗黒・20℃で培養し、細菌48株、真菌146株を分離した。培養性状と菌叢、菌糸と胞子の顕微鏡観察から種を同定した。形態から種の同定が困難なものは、菌体からDNAを抽出し、真菌の場合はリボソームDNA-ITS領域、細菌は16Sリボソーム遺伝子(rDNA)の塩基配列を決定して、属或は種の同定を試みた。 その結果、真菌は属或は種レベルまで同定できたものが16種、未同定19株であった。AlternariaとAureobasidiumが最優占種で、Cladosporium、Epicoccum、Penicilliumがそれに続いて高頻度に分離された。Penicilliumは無農薬区のみから分離された。属或は種まで同定した16種についてはrDNA-ITS領域をクローニング後、塩基配列を決定して保存した。一方、細菌類は全て16SrDNAの塩基配列を基に属或は種まで同定を試みた結果、属レベルまで同定されたものが13種であった。Bacillusが最優占種で、Curtobacterium、Pseudomonas、Sphingomonasがそれに続いて高頻度に分離された。その他Paenibacillus属、Achromobacter属、Pantoea属、Arthrobacter属、Dermacoccus属、Microbacterium属、Rothia属、Subtercola属、Staphylococcus属等に高い相同性を示す多様な細菌が分離された。 (2)リンゴ病原菌類遺伝子(rDNA-ITS領域)の分離と保存 申請者の研究室で保存しているリンゴ病原菌類20種を選び、rDNA-ITS領域等を分離し、12種についてクローニングして保存した。 (3)リンゴウイルス・ウイロイド遺伝子の分離と保存 申請者の研究室で保存しているリンゴのウイルス4種の外被タンパク質遺伝子、ウイロイド2種の全ゲノムを分離してクローニングした。さらに、日本で未報告のApple dimple fruit viroidの新規変異体を長野県の栽培リンゴから分離・クローニングし、全塩基配列を明らかにした。
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