研究概要 |
1 マダケ属モウハイチクの花成促進遺伝子FTホモログ(PmFT)のクローニングを完了し,同遺伝子の変異と進化傾向を把握するため,代表的なタケ類を中心としたイネ科の27分類群の系統類縁関係を解析した。 2 モウハイチクの一斉開花過程における花成促進遺伝子ホモログpmFTの発現を解析した結果,一斉開花に特異的に発現するとともに,有限花序の発生に関与する可能性が示唆された。また,一斉開花後には,他の遺伝子・花成抑制遺伝子CENホモログ(pmCEN)が関与し,有限花序の無限花序化とともに,実生の時期にも発現することが確認された。 3 花成遺伝子群の未開花個体への導入に有効なベクター系の開発を目的として,台湾より6種類のタケ類;ゾウタケ,リョクチク,マチク,ディノクロア,ホウタクセンチク,およびタイワンヤダケに感染したバンブーモザイクウイルスBaMVを輸入した。リョクチクより単離したBaMV変異体では,他の研究報告で明らかにされた制限サイトが有効であることを確認した。 4 クローニングした遺伝子を導入するための宿主植物体試料として,モウハイチクおよび2倍体草本性タケ類の1種リサクネ・パウシフロラの実生苗を育成し,接種実験可能なポットを考案・作製した。
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