研究課題/領域番号 |
18658070
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
今村 祐嗣 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (70151686)
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研究分担者 |
藤井 義久 京都大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (10173402)
簗瀬 佳之 京都大学, 大学院・農学研究科, 助教 (00303868)
吉村 剛 京都大学, 生存圏研究所, 准教授 (40230809)
田代 愛 京都大学, 生存圏研究所, 非常勤職員 (90397521)
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キーワード | シロアリ / 匂い検出 / 非破壊検査 / 昆虫行動 / ガス |
研究概要 |
本年度は、シロアリと並んで床下などの木部を劣化させる腐朽菌について、その代謝ガスをセラミックガスセンサを用いて検出する実験を実施した。 予備的実験として、シロアリコロニーが生息している土壌から排出されるガス成分(水素およびメタン)の分析を試みた。前年度までの実験でシロアリコロニーからは有意レベルのメタンや水素が発生していることはわかっているが、実際にシロアリが生息している土壌などには様々な菌類や微小動物が生息し、これらはメタンや水素を消費または発生している可能性がある。野外の土壌中のヤマトシロアリのコロニーを見つけ、その近傍の土壌を採取し、篩分けによってシロアリを除去し、ガラス瓶にいれて養生後、メタンと水素を検出した。その結果、検討した4種類の土壌からは水素は検出されなかった。シロアリと共存関係にある微小動物からのガス発生については今後さらに緻密な実験によって検討する必要がある。 さらに数種の腐朽菌やカビ類を接種した木片をガラス瓶に封入して、木片から発生するガスを検討した。実験で用いたガスアナライザで検出可能な水素やメタン以外のピークが現れたため、これを同定したところ一酸化炭素であることがわかった。このガスの発生濃度は菌の種類によって異なったが、その原因について検討中である。また木材を腐朽させながら菌糸が成長する過程でガス発生が確認されても、その菌をPDA培地上で生育しても一酸化炭素の放出は認められなかった。そのため、腐朽菌が木材を分解する過程で一酸化炭素が放出されると推測される。
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