研究課題/領域番号 |
18658073
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
荒井 克俊 北海道大学, 大学院水産科学研究院, 教授 (00137902)
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研究分担者 |
足立 伸次 北海道大学, 大学院水産科学研究院, 教授 (40231930)
原 彰彦 北海道大学, 大学院水産科学研究院, 教授 (40091483)
山羽 悦郎 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (60191376)
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キーワード | 絶滅種 / チョウザメ / 養殖 / 種苗 / 凍結保存 / 成熟 / 精子 / 雑種 |
研究概要 |
北大北方生物圏フィールド科学センター七飯淡水実験所において飼育を継続しているミカドチョウザメ5尾のうち、最大の雌個体(全長1.7m、体重38Kg)から生検(biopsy)により、生殖腺の一部を取り出し、成熟度判定を行なった。その結果、卵巣中の卵母細胞のうち最大のものは約2.7mmに達し、黒色素の沈着が進行していたが、約2mmで黒色素の沈着がみられない卵母細胞も存在したことから、本年(平成19年)ではなく来年(平成20年)採卵可能になることを確認した。また、北海道広尾町の広尾水族館の閉館に伴い、同館で飼育されていたミカドチョウザメ1個体(性別不明;全長1.5m、体重15Kg)を七飯淡水実験所に運搬し、合計6個体となった。 オオチョウザメとコチョウザメの雑種であるベステルの場合、通常は水温15℃前後の5-6月に採卵を行ない、LH-RHa注射により1-2日後に採卵あるいは採精可能となる。本年度は低水温(4-8℃)期の1-2月に排卵あるいは排精誘導を試みた。その結果、雄の場合は注射2-7日後まで採精できたが、雌の場合は排卵が大幅に遅れ、7日後に採卵できた。 また、ベステルを用いて精液の保存条件を検討した。精液をそのまま氷冷(0℃)保存した場合、良質精液(水に希釈直後の精子運動比率が80%以上)は2-3週間、精子の運動能が保持された。一方、精子運動比率60%程度の精液は1週間、同20%以下の精液は1日で精子の運動能は消失した。さらに、精子凍結保存条件を検討した結果、ペレット法よりもストロー法の方が若干良く、試みた3種の耐凍剤のうち、エチレングリコールとDMSOはほぼ同等でメタノールは劣った。耐凍剤の濃度については、20%程度が最高値を示したが、解凍後の精子運動比率は最高でも約30%に留まった。
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