研究概要 |
1) 打撃装置の開発 遠隔地において,技術者でない人が打撃試験をできるように,マイクと打撃装置が一体となった打撃装置を開発した.打撃の周波数を変えられるように,ハンマーの直径を選択できるようにした.そして,それを用いて,築造50年以上の老朽ため池の洪水吐コンクリートの打撃試験を行った.その結果,かなり足場の悪い環境においても現地で一人でも測定が可能であることを確認した. 2)水分の弾性波共振周波数に与える影響の把握 土供試体の含水比の違いにより弾性波共振周波数が変化することがわかったので,それを用いて,弾性波によって,ため池堤防内の含水比分布の推定の可能性を実際のため池において検討した.結果を電気探査結果と比較し,弾性波探査によっても土構造物内の含水比分布が推定できることが分かった.また,コンクリートの含水比の違いによる弾性波の共振周波数の違いについても室内試験において検討した.その結果,浸潤過程と乾燥過程では弾性波速度が異なることが分かった.そして,理論的な考察から,これは内部の水分分布の状態が異なるためであることを明らかにした.
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