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2007 年度 実績報告書

低酸素誘導性転写因子(Hif-1)の発現調節による抗血管新生療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18658114
研究機関岡山大学

研究代表者

奥田 潔  岡山大学, 岡山大学・大学院・自然科学研究科, 教授 (40177168)

研究分担者 ACOSTA T.J.  岡山大学, 岡山大学・大学院・自然科学研究科, 准教授 (80379718)
キーワードHif-1 / 血管新生 / アポトーシス / 黄体 / 抗血管新生療法 / 低酸素環境 / 血管内皮細胞
研究概要

昨年度は、(1)ウシ黄体内血管内皮細胞の単離・継代・保存方法を確立するとともに(Journal of Reproduction and Developmentに掲載)、(2)ウシ黄体におけるHif-1αおよびVEGF発現の周期的変化および培養ウシ黄体細胞を用いた解析により、ウシ黄体の形成に低酸素環境によって誘導される血管新生の関与することを明らかにした(本年5月の国際繁殖生物学会(WCRB,ハワイ)にて発表決定)。本年度は(3)アポトーシス誘導法の確立、(4)低酸素誘導性血管新生モデルの作出といった基礎研究を進展させ、(5)展開研究(in vivoにおける黄体内血管新生阻害)における成果を目指した。
(3)既に黄体細胞においてアポトーシスを誘導することの知られているサイトカイン(TNF,IFNG,FASLG)を添加し、血管内皮細胞の細胞死およびアポトーシスの指標となるアポトーシス小体ならびにDNAの断片化についてそれぞれ検討した。その結果、いずれのサイトカインによっても黄体細胞より短い培養時間でアポトーシスが誘導された。
(4)低酸素誘導性血管新生モデルを作出する目的で、ウシ黄体由来血管内皮細胞を低酸素環境において培養した。その結果、酸素濃度0-3%ではアポトーシスが誘導され、5%以上においては細胞数に変化は認められず、血管新生モデルの作出には至らなかった。今後、血中に含まれる成長因子、または顆粒層細胞の産生する物質を様々な酸素濃度において添加することにより培養系における血管新生モデルの作出を目指す。血管内皮細胞とともに低酸素環境の影響を検討した黄体細胞において、低酸素環境はアポトーシスを誘導した。この成果は、本年2月にBiology of Reproductionに掲載された。
(5)(4)において低酸素誘導性血管新生モデルの作出に及ばなかったことから、展開研究に発展させるには至らなかったが、今後はin vitroにおいて血管内皮細胞のHif-1発現抑制法を確立した後、in vivoにおいてヤギ形成期黄体内血管内皮細胞におけるHif-1発現抑制系の確立を目指す。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Hypoxia promotes luteal cell death in bovine corpus luteum.2008

    • 著者名/発表者名
      Ryo NISHIMURA
    • 雑誌名

      Biology of Reproduction 78(3)

      ページ: 529-536

    • 査読あり
  • [学会発表] ウシ黄体の形成および退行における低酸素環境の意義2008

    • 著者名/発表者名
      西村 亮
    • 学会等名
      第145回日本獣医学会
    • 発表場所
      神奈川
    • 年月日
      20080328-30
  • [学会発表] 低酸素環境はウシ黄体細胞のプロジェステロン合成を抑制することによりアポトーシスを誘導する2007

    • 著者名/発表者名
      西村 亮
    • 学会等名
      第100回日本繁殖生物学会大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20071020-22
  • [学会発表] Acute changes in circulating concentrations of oxygen, nitric oxide and progesterone during prostaglandin F2α-induced luteolysis in cows.2007

    • 著者名/発表者名
      Tomas J. ACOSTA
    • 学会等名
      第40回Society for the Study of Reproduction
    • 発表場所
      アメリカ・テキサス州サンアントニオ
    • 年月日
      20070721-25
  • [学会発表] Blood consentreations of O_2 and NO during PGF2α-induced luteolysis in cows.2007

    • 著者名/発表者名
      Tomas J. ACOSTA
    • 学会等名
      第107回日本畜産学会
    • 発表場所
      神奈川
    • 年月日
      20070327-29

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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