研究課題
マウス組み換えプリオンタンパク質を作成し、部位特異的にN96、Q97、W98、T106、V111、D144およびT190をシステイン残基に改変した変異タンパク質を調製した。これら変異プリオンタンパク質にスピンプローブと反応させ部位特異的ラベルを行った。得られた試料はESR測定を行った。N96C、Q97C、W98C、T106CならびにV111Cから得られたESRスペクトルは、Cu2+添加により、常磁性金属とNオキシルとの相互作用による線幅の広がりによるシグナル強度の減弱が観察された。さらにRedfield theoryを用いることによりCu^<2+>とN96C、Q97C、W98C、T106CならびにV111CCのスピンプローブとの距離はそれぞれ9.3A、11.9A、12.7A、9.2Aならびに12.5Aであると計算された。この距離情報からH95とH110のヒスチジン残基にCu^<2+>が配位していることが強く示唆された。また、C末側のCu^<2+>結合部位を同定するためにY156ならびにT189にスピンプローブを導入し、Cu^<2+>との距離を同様に計測したところ、それぞれの距離は6.8Åならびに11.6Åであった。この距離情報からH186にCu^<2+>が配位している可能性が強く示唆された。こうしたCu^<2+>が配位した蛋白質の構造についてはNMRやX線解析が適用できないことから、未だ詳細なモデルが報告されていない。今回、初めてこの領域の構造変化を捉えることに成功した。以上のことから本距離測定法は結晶化を必要とせず、分子量にも依存しない、さらに構造変化を経時的に捉えられる構造解析法として有用なツールとなると考えられる。今後、本研究で得られた情報は異常型プリオンへの経時的な変遷機構の解析や治療薬剤の評価などに重要であると考えられる。
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