研究概要 |
研究実績の概要 1)アンモニアストリッピングとセルロースバイオマスの加安分解法の確立 高温発酵型バイオガスプラントは帯広畜産大学に現有するアンモニアストリッピングシステムは現在バイオガスプラントに併設完了し、アンモニア抽出能力の検討を行った。加安分解効果検討のためのセルロースバイオマスとして小麦稈を用い、アンモニア添加濃度及び処理温度について試験した。その結果、アンモニアストリッピングシステムのアンモニア抽出能力について、次のような結果を得た。すなわち、バイオガスプラント発酵消化液NH_4^+-Nの濃度は1,500mg/L程度,pHは8程度を示し、アンモニア放散結果から、30℃においては所定量のアンモニアを放散させるために0.3当量/L近くのアルカリ添加が必要であったが,50℃の場合は無添加のままで,放散したアンモニア濃度が500ppmを示した。加安処理効果について、10%添加濃度、40℃及び30日間貯蔵条件で、ホロセルロース分解率は22.2%を示した。 2)反芻胃モデルの水素・メタンバイオリアクター開発 家畜糞尿を基質とする10L容小型メタンバイオリアクター、反芻胃モデルのメタン発酵シミュレータ及び加圧、電位制御能を有するバイオリアクターを現有する。目標とするセルロースバイオマスの加安分解生成物を基質とする水素・メタンバイオリアクター開発の第1段階として1L容の反芻胃モデルのメタン発酵シミュレータを開発した。アンモニア処理小麦稈のホロセルロース加水分解のモデル反芻胃バクテリアとしてRuminococcus flavefaciensを用い、29.4%の分解率が得られた。繊維分解菌、水素資化メタン生成菌の給源としてルーメンフィスチュラ装着牛の反芻胃混合菌を用いた場合、メタン生成量の連続解析から非線形回帰分析により、生成量の最大値が推定可能であることが明らかになった。このリアクターを用い、アンモニア処理小麦稈を基質とした場合のメタン生成量を定量する予定である。
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