研究概要 |
同じ位置の水産基に対して規則的に1残基おきに特定の置換基を導入せしめて「表・裏」を区別出来るβ-1,4-グルカン鎖の調製を達成するため、先ず繰り返し単位二糖の合成経路を確立した。 D-glucosamin(2-deoxy-2-amino-D-glucose)を原料として、2位アジド誘導体(t-butyldimethylsilyl 2-azido-3,6-di-O-benzyl-2-deoxy-4-O-p-methoxvbenzyl-B-D-glucopyranoside:以下Aと表記)、および2位ラタルイミド誘導体(t-butyldimethylsilyl 4-O-acetyl-3,6-di-O-benzyl-2-deoxy-2-phtalimido-B-D-glucopyranoside:以下Pと表記)を合成した。この2種類の単糖誘導体をそれぞれ糖受容体、糖供写体として、2種類の二糖誘導体(A-P,およびP-A)の合成に成功した。次に、これらの二糖から、イミデート法を用いる合流型合成計画によって、2種類の四糖誘導体(A-P-A-P,およびP-A-P-A)合成を行った。最後に、脱保護を行った。ベンジル基を脱離して水酸基に誘導し、さらにアジド基・フタルイミド基をそれぞれ自由にアミノ基・アセタミド基、あるいはアセタミド基・アミノ基に変換する方法を見出した。この偶然の発見は、最終的なドラッグ・デザインに大きな自由度を与える予想外の成果であった。
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