研究課題
神経アダプター分子X11,X11L, X11L2は、線虫やショウジョウバエから哺乳類まで保存されているタンパク質であり、中央部のPlドメインとC末領域の2つのPDZドメインを介して多くのタンパクと相互作用する。X11とX11Lは神経特異的な発現を示すことから、X11及びX11Lの遺伝子を破壊したマウスを交配した二重遺伝子破壊マウスを作製した。この変異マウスは、体重減、生殖行動の欠陥などが観察されるが顕著な神経系の表現型は突発的に生じるてんかん発作である。この分子機構を解明する目的で、胎児期(E12.5)から12ヶ月までのマウス脳の発現タンパク質を網羅的に解析した。その結果、ある種の神経伝達物質受容体サブユニットの量が野生型マウスと比較して大きく変動していた。この変動が、神経生理機能に果たす役割を解明する目的で、4ヶ月齢マウス海馬スライスを用いて電気生理学的な解析を試みている。てんかんの多くは原因が不明であるので、本研究によるてんかん発作の分子機構の解明は、新たな治療薬の開発に貢献すると思われる。
すべて 2006
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