研究概要 |
GenBankなどのDNAデータベースにあるヒト/マウス/ゼブラフィッシュの機能不明な遺伝子がコードしていると期待されるアミノ酸配列を無作為に選択し、PSORTなどのアミノ酸配列ソフトを活用し、新規な分泌性因子遺伝子を探索した。さらに、これらの遺伝子の内、homology解析をし、酵素遺伝子である可能性のある遺伝子は除くとともに、ヒト/マウス/ゼブラフィッシュに共通に発現している遺伝子を同定した。上記により同定された遺伝子が実際に発現しているかを確認するため、ヒト/マウス/ゼブラフィッシュcDNAを鋳型にし、PCRで遺伝子を増幅し、その遺伝子の配列を確認するとともにベクターDNAを用いてクローニングした。様々な発達段階にあるマウス/ゼブラフィッシュ胎児における分泌性因子遺伝子の発現をwhole mount in situ hybridizationやsection in situ hybridization法により調べた。その発現様式から、興味深い発現様式を示す遺伝子の絞り込みを進めた。上記の研究で、興味深い発現様式を示す遺伝子の機能を抑制したゼブラフィッシュ胚を作成し、その後の発生過程を顕微鏡下で観察した。これまで、新規な分泌性遺伝子を二つ同定し、それぞれをneucrin, brorin-likeと命名した。いずれの遺伝子も培養細胞を用いた強制発現法により、その翻訳産物の分泌性を確認した。neucrin, brorin-likeのいずれもは脳・眼予定領域に発現していた。neucrin, brorin-like機能抑制ゼブラフィッシュ胚は脳・眼の形成不全が観察された。
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