• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

クラスリンのエンドサイトーシスとは関係しない細胞内シグナリング経路への役割解析

研究課題

研究課題/領域番号 18659024
研究機関九州大学

研究代表者

黒瀬 等  九州大学, 薬学研究院, 教授 (10183039)

キーワードクラスリン / エンドサイトーシス / シグナリング / プロテインキナーゼC / 受容体キナーゼ
研究概要

G蛋白質共役型受容体をはじめとする細胞膜上の受容体が刺激を受けた後に、細胞内に移行する現象はエンドサイトーシスと呼ばれている。この経路は主にクラスリン被覆小胞を形成して起きる。クラスリンは、クラスリン被覆小胞を形成して進行するエンドサイトーシスに中心的な役割を果たしている蛋白質である。クラスリンは分子量が191kDaの重鎖と30 kDa弱の軽鎖からなり、トリスケリオン(三脚巴構造)をとっている。クラスリンは分子量が大きいため、エンドサイトーシス以外の細胞応答にも関わっていることが推定されている。根拠となるのが、クラスリン重鎖の結合するクラスリンボックスと呼ばれる特殊なアミノ酸配列である。我々は、受容体の調節機構を解析する過程で、アゴニストの結合した受容体を選択的にリン酸化する受容体キナーゼ2(GRK2)がクラスリンボックスを持っていること、またクラスリンボックスはGRK2と受容体との相互作用には必要でないにもかかわらず相互作用した後のGRK2活性化に必須な役割を果たしていることを示した。クラスリンボックスの配列を持つ蛋白質を検索したところ、プロテインキナーゼC、カルモジュリンキナーゼ、ジアシルグリセロールキナーゼにも含まれることが明らかになった。そこで、HEK293細胞にプロテインキナーゼCとレポーター遺伝子を発現させ、クラスリン重鎖の有無でレポーター遺伝子の発現が影響されるか検討した。しかしながら、レポーター遺伝子の発現が弱く、また一貫した結果が得られなかった。GRK2の制御とは異なり、プロテインキナーゼCやジアシルグリセロールキナーゼは細胞膜に移行した後、リン脂質Ca^<2+>によってエフェクター分子の活性を変えるほど十分活性化されるのかもしれない。また、カルモジュリンキナーゼはCa^<2+>によってすでに最大レベルにまで活性化されているのかも知れない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Roles of protein kinase C and actin-binding protein 280 in the regulation of intracellular trafficking of dopamine D3 receptor2007

    • 著者名/発表者名
      Cho, E.Y., Cho, D.L, Park, J.H., Kurose, H., Caron, M.C, Kim, K.M.
    • 雑誌名

      Molecular Endcrinology 21

      ページ: 2242-2254

    • 査読あり
  • [雑誌論文] アンジオテンシン受容体2007

    • 著者名/発表者名
      黒瀬 等
    • 雑誌名

      日薬理誌 130

      ページ: 232-234

  • [雑誌論文] TRPチャネルと心疾患2007

    • 著者名/発表者名
      黒瀬 等、西田 基宏
    • 雑誌名

      生化学 79

      ページ: 953-956

  • [学会発表] βアドレナリン受容体遮断薬の薬理2007

    • 著者名/発表者名
      黒瀬 等
    • 学会等名
      第2回臨床薬理学会/薬理学会共催シンポジウム
    • 発表場所
      栃木県総合文化センター(宇都宮)
    • 年月日
      2007-11-28

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi