研究課題
性ホルモン核外作用特異的リガンドのスクリーニング系の創製が目的であり、当初は核外作用の受容体も報告されているように核内受容体と同じ物を想定して、これとc-Srcの相互作用を利用した一分子Fluorescent Resonance Energy Transfer(FRET)プローブの作成を試みた。ところが、研究の過程で性ホルモン核外作用の受容体は少なくとも心筋細胞においてはエストロゲン受容体、アンドロゲン受容体、プロゲステロン受容体ともN末端欠損型の受容体であることが判明した。エストロゲン受容体に関しては、同アイソフォームが核外作用特異的受容体であることは、血管内皮細胞で既に明らかにされているが、アンドロゲン受容体、プロゲステロン受容体では新知見である。スクロース密度勾配遠心分画法を用いた検討から、これらが細胞膜特殊構造であるカベオラに局在することも判明した。更に、リガンドが結合した時のみPI3キナーゼの調節因子であるp85が結合することが判明し、これを利用することにより核外作用特異的リガンドのスクリーニング系の創製が可能であることが判明した。すなわち、核外作用特異的受容体とp85の相互作用をFRETで検出することを利用する。そこで、次のステップとして、N末端欠損型の核外作用特異的受容体のN末端にCFP、p85のN末端にYFPを結合した融合タンパクの作成に入っており、次年度はこの相互作用の検出を予定している。
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Pharmacology Therapeutics (in press)
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