研究課題/領域番号 |
18659098
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
北村 均 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (20094302)
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研究分担者 |
矢澤 卓也 横浜市立大学, 医学研究科, 準教授 (50251054)
下山田 博明 横浜市立大学, 医学部, 助手 (60381472)
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キーワード | 肺癌 / 小細胞癌 / インスリン様増殖因子結合蛋白2 |
研究概要 |
IGFBP-2が小細胞細胞の増殖に及ぼす影響の解析: IGFBP-2に対するsiRNA(small interfering RNA)を作成し、我々の保有する肺小細胞癌株に遺伝子導入したところ、細胞の増殖速度は亢進した。またIGFBP-2に対する中和抗体を用い、これを培地に添加することにより、小細胞癌細胞の増殖能は亢進した。このことから、小細胞癌細胞には腫瘍化に伴う過剰増殖に対してIGFBP-2を介した増殖抑制機構が作動していることが確認された。また、一般に小細胞癌細胞は培養条件下において非常に増殖速度が遅いことが特徴になっているが、その原因の一つにIGFBP-2過剰発現が影響していることが示唆された。 小細胞癌細胞におけるIGFBP-2高発現のメカニズムの解析: IGFBP-2promoter遺伝子を挿入したluciferase vectorを作成し、これを用いてプロモーターアッセイを行ったところ、IGFBP-2promoter外に存在するE-boxが小細胞癌におけるIGFBP-2の過剰発現現象に深く関与していることが明らかとなった。また、このE-boxに結合する候補因子には神経内分泌形質に関連したものが含まれていることが判明した。 IGFBP-2の肺小細胞癌に対する腫瘍マーカーとしての有用性の検討 肺癌切除標本を用い、肺癌細胞におけるIGFBP-2の発現について検索したどころ、非小細胞癌に比して小細胞癌では高度のIGFBP-2発現が見られることが明らかとなった。また現在も検索を続行中であるが、肺癌患者のうち小細胞癌患者血清には高レベルのIGFBP-2が含まれていることが確認されている。
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