研究課題/領域番号 |
18659116
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研究機関 | (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団 |
研究代表者 |
石川 直 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究員 (30184485)
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研究分担者 |
田久保 海誉 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究部長 (00154956)
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キーワード | ウエルナー症候群 / ウエルナーヘリカーゼ / WRN遺伝子 / 老化 / がん化 / テロメア / 染色体組換え |
研究概要 |
ウエルナー症候群はウエルナーヘリカーゼ遺伝子(WRN)のホモ不全により早老症状を発症する。これまでに、ウエルナーヘリカーゼがテロメア構造に存在することがいくつかの研究室から報告されているものの、相互作用する分子の確定には至っていない。また、本症候群で平均的人口(コントロール)とは異なる種類の悪性腫瘍が若年で発症してくる臓器特異的発がんの問題は全く不明である。以上の経過をふまえて、私達はウエルナーヘリカーゼがテロメア構造を維持することにより染色体安定化・抗がん化作用をもたらすとの作業仮説をたて研究を進めてきた。 私達はコントロール研究として十年来続けてきた非選別(コントロール)剖検症例のテロメア研究から、大脳灰白質テロメアは加齢によって短縮しないこと(たとえあったとして統計的有意差は得られない)、70歳を超える長寿者は長い灰白質テロメアを有すること、大脳テロメア長と癌死率は負相関を示すことを明らかにした(Experimental Gerontology in press)。一方、ウエルナー患者皮膚組織を収集しSouthern blot法により解析した結果、患者組織のテロメア長は年齢を校正した健常者皮膚の平均長より短いことを明らかにした(論文作成中)。今後、当該組織をQ-FISHにより解析し、WRN遺伝子欠損が細胞系列特異的なテロメア長の短縮を来すか否かを明らかにすることを通じて、ウエルナー症候群における特異的発癌形質の分子基盤解明をめざす。 数年来収集してきたウエルナー症候群患者由来繊維芽細胞のmetaphaseサンプルに対しサブテロメアプローブを用いたFISH解析を行い、染色体組換えが異常に亢進していることを見出した(正常人由来繊維芽細胞:TIGシリーズでは、同様の方法で組換えは殆ど検出されない)。解析検体を増やし、個人差・組換え染色体の特異性を検討中である(論文準備中)。
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