バルニフィカス症患者由来Vibrio vulnificus MY株を用いたマウス感染モデル系を構築することに成功したため、Vibrio vulnificus MY株を宿主としたバクテリオファージの分離を試みたが、分離できなかった。また、有明海底泥から分離した、Vibrio vulnificus NBRC 15645^Tに感染性を示したファージについてはVibrio vulnificus MY株に対して感染性を示さなかった。ファージセラピーの応用を考慮した場合、様々なビブリオ・バルニフィカス株に感染する、すなわち宿主特異性の低いバクテリオファージの分離が必要であるため、ビブリオ・バルニフィカス感染症患者由来株や有明海より分離された株を指示菌として引き続き有明海からのバクテリオファージの分離を行う予定である。さらに現行のマウス足底部への皮下注射による感染モデル系は、バルニフィカス症感染経路である経口摂取を再現していないために、経口投与によるマウス感染モデル系の構築も行う予定である。
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