研究課題/領域番号 |
18659144
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
葛岡 英明 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 教授 (10241796)
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研究分担者 |
山下 淳 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 講師 (80345157)
行男 哲男 東京歯科大学, 医学部, 教授 (00182668)
太田 祥一 東京歯科大学, 医学部, 助教授 (70328194)
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キーワード | 気管挿管 / 教育 / 救急医療 / 動作共有 / マスタースレーブ |
研究概要 |
一部の医療行為が一般市民にも認められつつあることにともない、医師以外の人々に対して、救急時の医療行為に関する効果的な教育手法を開発することが求められている。そこで本研究は、気管挿管教育を具体例として、機械技術、映像技術、コンピュータ技術を応用することによって、これを支援することを目的とした。気管挿管を指導する際の主な問題点には、実習者に対して気管を視認させることが困難であることと、喉頭展開時の喉頭鏡の動かし方を教えることが困難であることが挙げられる。本研究では特に後者を支援することを目指している。そして、このために、マスタースレーブ型の喉頭鏡によって、喉頭展開時の指導者の手の動きを実習者にそのまま伝達することによって、喉頭鏡の動かし方を指導する手法を提案した。 平成18年度はまず、5自由度のマスタ・スレーブ方式の動作共有装置を試作した。次に、本提案方式と、従来の言葉と身振り手振りによる気管挿管の教示方法を比較する実験を実施した。シミュレータを利用した教示において、実習者による試技にかかった時間と成功率を比較した。成功率については、正しい気管挿管の可否、シミュレータの歯を折った回数を計測した。実験の結果、提案手法の方が、時間と成功率の両方について、有意に優れている傾向が示された。この理由を明らかにするために、実験中のビデオを観察した結果、マスタ・スレーブを利用した場合には、指導者が喉頭鏡の動かし方を説明している際に、実習生は指導者の手の動きに積極的に同期させて自分の手も動かしている様子が観察された。
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