研究課題/領域番号 |
18659146
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
伴 信太郎 名古屋大学, 医学部附属病院, 教授 (40218673)
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研究分担者 |
佐藤 寿一 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (10285223)
西城 卓也 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (90508897)
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キーワード | 医学教育 / 卒前教育 / 臨床推論 / 外来診療 / プライマリ・ケア |
研究概要 |
今年度は、名古屋外来診療教育プログラム(NACTA)に参加したすべての医学生に質問紙法によるアンケートを実施し、NACTAに対する認識と、臨床実習中の他の外来実習の現状、学生の臨床判断能力の開発過程に関して調査した。データは量的・質的に検証され、これまで得られていなかった知見を得ることができた。すなわち、 (1) 90%の学生は臨床実習中の臨床判断の学習到達度・知識の獲得量に満足していたが、診断の付いていない患者を外来で診る機会は0-10回/年程度、病棟では0-9回程度でしか無かった。これは診断学学習に推奨される症例数より圧倒的に少数であり、有意義な実習が行われたとは言い難い。 (2) NACTAのような外来診療実習は、他の部門の臨床実習には存在せず、極めてユニークであり、学生はその意義を強く感じていた。 (3) 臨床判断能力を涵養するため、具体的には、1) 指導医による確実な観察と指導を受けられる状態で、学生が自己主導的に多くの症例を経験できる学習環境、2) 未診断の患者の医療面接と身体診察を行い、指導医や同僚と議論し、相互の知識や疾患概念を共有していく学習方略、この2つが必須となる。 本研究は、日本の臨床実習における臨床判断能力開発の現状を明示した意義がある。その現状は先行研究で推奨される実習と大きな乖離があり、問題も認識されてこなかった。より良い臨床判断能力開発の具現化のため、多忙な臨床現場の中で、臨床医が効率的に教育指導できるスキル、および自己主導的な臨床実習、症例を多く共有できる学習方略、これらが必須である。今回得た知見は、臨床実習の改善の基盤となるという点で、非常に重要である。
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