研究課題/領域番号 |
18659153
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研究機関 | 愛知新城大谷大学 |
研究代表者 |
天野 寛 愛知新城大谷大学, 社会福祉学部, 准教授 (00410902)
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研究分担者 |
酒井 順哉 名城大学, 都市情報学部, 教授 (30107891)
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キーワード | 医療ミス / リスクマネジメント / インシデントレポート / パーソンアプローチ / 診療業務マニュアル / ストレス / Egogram / POMS |
研究概要 |
近年、同じような事故を繰り返す医療スタッフ、すなわちリピーターの存在が明らかになってきた。このため、医療事故防止の研究において、組織の改善だけでなく、医療スタッフ個々人の特性に応じた安全対策のサポート体制の研究も必要になってきた。本研究の目的は、そうした医療現場の傾向をもとにリスクマネジメントマニュアルの把握状況や医療スタッフの安全に対する意識などモチベーションに関わる事柄、そしてパーソナリティーの個人特性に着目し、それらが医療事故とどのように結びついているのか、その発生因を明らかにして予防策を提案することである。本研究は、インシデント(医療ミス、ヒヤリ・ハット)を未然に防ぐための有効なアプローチを医療スタッフに提供するものである。病院で実施された調査結果は、病院全体の報告書と併せて、個人の資料がフィードバックされる。調査に参加し、パスワードとなるハンドルネームを調査用紙に記載することで、自己の結果を知り、自己認知を深めることができる。このリスクマネジメントのためのフィードバックシステムを完成させることが、本研究のゴールである。 今回、平成17年から平成18年にかけて、5つの総合病院リスクマネジャーの協力を受け、質問用紙法により医師145名、薬剤師51名、看護師1538名、各種技師280名、事務官(栄養士を含む)198名の回答を得た。そこで、各対象群の性格特性・気分状態と各種診療業務マニュアルの把握が、医療ミスやヒヤリ・ハットの発生にどのような関連性があるかをEgogramとPOMSの分析方法と多変量解析により明確にすることを試みた。その結果、看護師では、医療ミス、EgogramとPOMSの関係において、「リピータ群」は「安全実践群」に比してEgogramのAC(従順・協調)値が高く、POMSではT-A(緊張・不安)、D(抑うつ・落ち込み)、F(疲労)、C(混乱)の各値が高いこと等がわかった。
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