研究課題/領域番号 |
18659158
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐々木 毅 東北大学, 名誉教授 (50110656)
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研究分担者 |
石井 智徳 東北大学, 病院・助手 (10282138)
石井 恵子 東北大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (00291253)
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キーワード | 超音波検査 / 皮膚 / 強皮症 / 位相差トラッキングエコー / リアルタイム測定 / 膠原病 |
研究概要 |
位相差トラッキング(PE)法では一定圧力をかけた後にできる微小な局所部位の厚み変化を測定できるため圧力と厚みの変化より同部位の硬化度測定ができる。PE法を膠原病などにおける皮膚硬化度の測定に応用するに当たって本年度は以下の基礎的検討を行った。 (1)皮膚測定部位に対する加振装置の設計、作成: 測定部位の皮膚に対して皮膚の変形を誘導するため加振装置を殺計、作成した。加振装置は皮膚との接する部分にプログラムされた振動を与えるが、この振動の状態を、その周波数、振幅、更に加える圧力、圧を与える時間パターンなどで精密に調整することができた。 (2)皮膚局所部位における位相差トラッキングエコー法による壁厚の測定: 上記(1)で作成した加振装置を用い皮膚に振動を加え一定振動による皮膚の壁厚変化の測定を位相差トラッキング法にて行った。いくつかの条件で検討した結果、皮膚の壁厚変化を、再現性をもって安定して得られる振動の条件として、周漬数1Hz、100kパスカルの圧力、0.5秒の矩形波を用いることと決定した。 (3)リアルタイム計測システムの構築: 皮膚にかかる圧力と壁厚変化の測定を同期して得るため皮膚局所に心電図プローブを設置し同時測定をした。更に皮膚局所における弾性を圧力と壁厚変化よりリアルタイムにパスカル値として計算するためプログラムの作成およびシステムの構築をおこなった。 (4)正常人における皮膚の弾性の測定: 26歳から44歳までの正常人男性6人に対して、前腕の皮膚において加振装置を用い上記(2)の条件にて皮膚に振動を加え弾性を測定した。皮膚の乳頭層より表面の表皮部分をSubepidermal low echogenic band(SLEB)によれ判別しこの部分の弾性エコーパターンを観察した。正常人皮膚においては、この部分において比較的均一な硬さの分布を示した。また今回測定した正常人8人においては皮膚の硬さは、ほぼ同一であった。
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