研究課題
マイクロRNA(miRNA)は近年発見されたメッセンジャーRNA(mRNA)から蛋白への翻訳を制御する重要な分子である。しかし酸化ストレスに関するmiRNAの研究はまだ見られない。よって、本研究では、酸化ストレスの病態における新たなRNA干渉因子(miRNA)の関与を明らかにし、miRNAによる酸化ストレスの新たな診断法の開発およびRNA干渉を用いた治療法の可能性を明らかにする。具体的に本研究では、1.酸化ストレスに対するmiRNAの発現プロファイルを解析し、過酸化水素やUVBによる酸化ストレスに特異的なmiRNAを同定すること。2.siRNA法などを用いて、1.で同定されたmiRNAの発現量を調節し、これらのmiRNAにより制御を受ける下流分子を同定し、また我々の確立した酸化ストレスモデルであるSS-A/Ro52の酸化ストレスによる細胞内局在変化に関与するmiRNAを同定すること、である。本年度の研究実施計画は(1)各種酸化ストレス下でのmiRNAの発現のプロファイリング、(2)プロファイリングに基づく、標的mRNA・タンパク質の定量、(3)抗酸化剤NAC(N-アセチルシステイン)などによるmiRNAプロファイリング、(4)in situハイブリダイゼーション法による組織染色であった。(1)については、157種類のmicroRNAの発現量をTaq-man法で定量し、HSG細胞に各種酸化ストレスを加えて酸化ストレス下でmiRNAの発現のプロファイリングを行った。有意にダウンまたはアップレギュレーションされてるmiRNAを同定し、細胞株・組織を超えて同じ傾向が見られるか確認中である。すべての経費は上記の研究に必要な試薬費にあてた。
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Antioxid Redox Signal 9 (in press)
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