本研究では、直径1mm以下の細径flexibleなmulti-task型マイクロプラズマ生成装置を新たに開発することで内視鏡を通じて生体内各種臓器へ自在に挿入することを可能とし、生体内でこの熱プラズマを用いる方法に対して、組織傷害が少なく内視鏡的診断、治療に幅広く応用できる技術として、共同研究グループがVHF (very high frequency)を用いることにより任意のガス分子(含微粒子)を原料とする高密度低温プラズマを生成する技術の開発に成功していた。今回、高密度低温プラズマを生成し、これを組織表面に接触させて種々の治療および診断に応用する技術の開発を目的とした。これまでに、モデル動物での検討を目的に、ラットを用いヒト臨床用気管支鏡にてラット大腸観察が可能であることを確認した。次に、ラット慢性DSS大腸炎(5% DSS)を、さらにDSS大腸炎モデルスケジュール初期にazoxymethane(AOM)投与を行うことで大腸癌モデルを作成し、上記同様に気管支鏡にて大腸炎、大腸癌の観察可能であることを確認した。さらに気管支鏡鉗子孔より低温プラズマを誘導する特殊チューブを作製し、現在、そのより小型化を目指している。現時点で正常ラット、大腸炎ラット、大腸癌ラットより大腸を摘出し、管腔側を露出し、それぞれの大腸組織に低温プラズマを照射し、指摘レーザー高周波電流量の検討を行っている。現在、治療に対しては穿孔回避レベルでの至適用量設定、診断レベルにおいては表面構造可視化ための至適用量設定を検討中であるとともに、治療に応用する薬剤の粒状化とこの熱プラズマへの担体化の基礎的データを集積中である。
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