これまでの研究期間内にCD4^+CD45RB^<high> T細胞移入SCID/RAG欠損マウス大腸炎モデルを用いることによって、1)慢性大腸炎発症後に大腸炎粘膜より分離したCD4細胞はCD44^<hig>IL-7Ra^<high>メモリータイプのリンパ球であること、2)本メモリー細胞はIL-7 x RAG二重欠損マウスにおいて本モデルは発症しないことよりIL-7を必須とする機構が存在すること、3)本メモリー細胞を繰り返し、RAG欠損マウスに移入を行うと腸炎惹起性メモリー細胞の選択によりクローン化が可能であること、4)クローン化されたリンパ球をさらに再移入すると再び単クローン化リンパ球であるにもかかわらず、腸炎を引き起こすこと、5)さらには腸炎を発症しないばかりか新たなCD4^+CD45RB^<high> T細胞移入RAG欠損マウス大腸炎を共移入によるクローン細胞も存在すること、5)これらクローン化細胞は確かに腸内細菌抗原に反応し増殖、サイトカイン産生が産生されることを見いだしてきた。現在、これらクローン化細胞からT細胞受容体ab鎖のクローニングを完成するとともに、ミラクルビーズを用いた腸内細菌抗原の同定を実施中である。さらに、得られたT細胞受容体遺伝子を用いたトランスジェニックマウスの作製、同マウスのRAG欠損マウスとの掛け合わせによる慢性大腸炎発症モデルの作製をこれからに研究期間に遂行する予定である。
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