研究課題/領域番号 |
18659259
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
飛松 省三 九州大学, 大学院医学研究院, 教授 (40164008)
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研究分担者 |
緒方 勝也 九州大学, 医学研究院, 助手 (50380613)
山崎 貴男 九州大学, 大学院医学研究院, 助手 (70404069)
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キーワード | 漢字・仮名処理 / 難易度 / 小細胞系 / 大細胞系 / 空間周波数フィルタリング / 事象関連電位 / 経頭蓋脳直流電気刺激 / 脳仮想病変 |
研究概要 |
研究の目的 (1)言語(漢字・仮名)を構成する空間周波数成分をフィルタリング処理し、小細胞(P)系、大細胞(M)系を選択的に刺激できるような漢字・仮名を作成する。次に両系が言語認知に対してどのような役割を担うのかを検討する。 (2)経頭蓋脳直流電気刺激(tDCS)による脳仮想病変を健常成人において作成し、漢字・仮名に関するネットワーク処理を検証し、新しい処理モデルを構築する。 本年度の実績 (1)漢字の易しさ、難しさの観点から漢字を選び、仮名認知との違いを検討した。すなわち、1)小学1-2年で学ぶ簡単漢字(例:先生)、2)5-6年で学ぶ複雑漢字(例:宣誓)、3)仮名(せんせい)、4)仮名非語(いせんせ)を数種類選んだ。 (2)言語(漢字・仮名)を構成する空間周波数成分をフィルタリング処理し、輪郭が鮮明な言語(HSF=P系刺激)、輪郭が不鮮明で大まかに言葉とわかるもの(LSF:M系刺激)を作成した。 (3)右手利き健常成人7名に(1)(2)で作成した簡単漢字、複雑漢字、仮名、仮名非語のHSF、LSF画像を提示し、フィルタリング処理しない元画像(BSF)を対照刺激とした。128ch脳波計により黙読中の事象関連電位(ERP)を記録し、頭皮上マッピングを行った。 (4)全刺激で両側頭部よりN170が記録された。振幅は左側で高く、仮名のHSFで著明であった。潜時は全刺激でBSFが最も早く、刺激間ではHSF、LSF、BSFともに漢字より仮名が早かった。文字認知にはP/M系とも重要である事、漢字と仮名では脳内処理機構が異なる事が示唆された。 (5)次年度以降はさらにERP計測の被検者数を増やして、電流源の推定を行い、漢字・仮名処理の違いを検討する。さらに健常人においてtDCSによる脳仮想病変の作成を行いその影響の検討を検討する。
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