研究課題/領域番号 |
18659260
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉良 潤一 九州大学, 大学院医学研究院, 教授 (40183305)
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研究分担者 |
立石 貴久 九州大学, 大学院医学研究院, 非常勤研究員 (50423546)
菊池 仁志 九州大学, 病院・神経内科(平成18年7月31日辞退), 助手 (60322765)
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キーワード | 脳神経疾患 / 神経化学 / 免疫学 / 病理学 / 筋萎縮性側索硬化症 / 顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF) |
研究概要 |
1.運動ニューロン培養細胞系におけるG-CSFによる抗アポトーシス作用の検討。 過酸化水素および血清除去培地を用いて細胞死を誘導させた運動ニューロンの培養細胞(NSC34細胞)にG-CSFを投与した。G-CSF投与により有意な生存活性が得られた。さらに、細胞からの抽出タンパクでは、カスパーゼ3の活性化が抑制され、G-CSFによるアポトーシス抑制作用が示された。 2.変異SOD1^<G93A>遺伝子導入マウスへのG-CSF投与による治療効果の検討。 変異SOD1^<G93A>遺伝子導入マウスに、生後10週よりG-CSF製剤と対照コントロールとして生理食塩水の皮下投与(5日投薬、2日休薬)を死亡するまで施行した。G-CSF投与により、有意な生存期間の延長を認めた(G-CSF投与群(141.3±7.1日)、対照群(133.7±8.1日)。組織学的検討では、G-CSFを投与した群では、発症早期において、新生細胞のマーカーであるnestin陽性細胞の増加を認めた。またG-CSF投与群では、摘出した脊髄のタンパクでbcl-2の上昇を認め、アポトーシス抑制作用が考えられた。 3.G-CSFノックアウトマウスおよびG-CSFRノックアウトマウスと変異SOD1^<G93A>遺伝子導入マウスと変異SOD1^<G93A>遺伝子導入マウスの交配マウスの作成による機能解析。 現在、G-CSFノックアウトマウス、G-CSFRノックアウトマウスを増産している。今後、変異SOD1^<G93A>遺伝子導入マウスとの交配を行い、ダブルトランスジェニックマウスを作成し、生存期間を検討する。
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