研究課題/領域番号 |
18659260
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉良 潤一 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40183305)
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研究分担者 |
立石 貴久 九州大学, 大学病院, 助教 (50423546)
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キーワード | 脳神経疾患 / 神経化学 / 病理学 / 筋萎縮性側索硬化症 / 顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF) / アポトーシス |
研究概要 |
1.変異SOD1^<G93A>遺伝子導入マウスへのG-CSF皮下投与による治療効果の検討。 変異SOD1^<G93A>遺伝子導入マウスに、生後10週よりG-CSF製剤と対照コントロールとして生理食塩水の皮下投与(5日投薬、2日休薬)を死亡あるいは評価時期まで施行した。まず、臨床的評価では、G-CSF投与により、有意に生存期間の延長効果を認めた。次に、運動神経細胞死の抑制効果を調べるために、両群での発症前期(生後12週、14週)、麻痺症状出現期におけるL5前根の正常大径有髄線維数の変化を比較した。12週の時点から少数の神経線維の変性を認めた。14週では、さらに正常線維数の減少を認めたが、両群での有意差を認めなかった。しかし、麻痺症状出現期においては、G-CSF投与群で有意差をもって正常線維数の残存を認めた。また、G-CSFの作用機序の解明のために、麻痺症状出現期、死亡期において、抗アポトーシス蛋白(bcl-2タンパク)の発現量とその変化を検討した。両時期においても、G-CSF投与群で、bcl-2タンパクの発現量の増加を認めたが、死亡期では有意に増加していた。以上の結果から、変異SOD1^<G93A>遺伝子導入マウスに対して、G-CSF療法(皮下投与)は、bcl-2タンパクなどの抗アポトーシス蛋白の誘導により、運動神経細胞死の抑制や延命効果をおこすことが明らかにされた。 2.G-CSFの長期間皮下投与による副作用の検討 上記1同様にG-CSFを投与した。5日連続投与後でも、末梢血での白血球数増加、血小板数増加を認めた。生後10週から死亡するまで(約20週)投与したマウスでは、G-CSF投与による副作用死は認めなかったものの、全例で肝・脾腫を認めた。また、骨髄塗沫標本では、G-CSF投与による白血病細胞などの出現は認めなかった。
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