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2006 年度 実績報告書

新規造血幹細胞マーカーによる新しいヒト造血幹細胞単離技術の開発と再生医療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 18659278
研究機関東京大学

研究代表者

中島 秀明  東京大学, 医科学研究所, 特任助教授 (30217723)

キーワードRobo4 / Magic roundabout / 造血幹細胞 / 細胞表面マーカー / 受容体 / Slit2 / FACS / フローサイトメトリー
研究概要

細胞表面マーカーを用いた造血幹細胞(HSC)の同定においては、マウスではCD34-c-Kit^+Sca-1^+Lineage^-(CD34^-KSL)細胞が高濃度にHSCを濃縮した分画とされているが、完全なHSCの純化は未だなされていない。またヒトではCD34陽性細胞がHSCと同義に用いられているが、CD34のみに依存したHSC同定法の限界と危険性も指摘されている。以上のことから、マウスおよびヒトHSCをより効率よく同定・純化することができる新たなマーカーが求められている。このような背景から、本研究はHSCに発現する新たな細胞表面マーカーを探索し、さらにその細胞膜蛋白質がHSC機能に果たす役割を明らかにする目的で行われた。
Roboファミリーは主に神経細胞に発現する膜受容体で、Slitとよばれる分泌蛋白をリガンドとしている。Robo/Slitシステムは神経のaxon guidanceに重要な役割を果たしているほか、腫瘍血管新生やリンパ球の遊走を制御することが近年報告された。RoboファミリーにはRobo1〜Robo4の4種類が存在するが、このうちRobo4はその発現が内皮細胞特異的であるなど他のメンバーとは異なった性質を持つ。我々はHSC特異的に発現する遺伝子としてRobo4に着目し、新たなHSCマーカーとしてのRobo4の有用性をマウスおよびヒトにおいて検討した。
RT-PCRによる発現解析では、Robo4はマウス骨髄細胞中KSL細胞分画に特異的に発現しLineage陽性細胞やCMR, GMP, MEP, CLPなどの前駆細胞には発現がほとんど見られなかった。さらにKSLの中ではKSL-SP分画に最も発現が高く、次いでKSL-MPに高い発現が見られた。以上より、Robo4はHSCに特異的に発現する膜受容体であることが示唆された。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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