研究概要 |
すでに特発性肺胞蛋白症の病因物質として患者の肺及び血液中に抗顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)中和自己抗体が大量に存在し、その定量法を報告した。さらに健常者の血清中にも微量の抗GM-CSF自己抗体がGM-CSFとの免疫複合体の形で存在していることを見出した。このようなサイトカイン自己抗体はTNF-α、interferon-γ、IL-10,IL-6などに対して健常者でも微量に認められる。我々は、健常者の血清中にはどのようなサイトカイン自己抗体が存在するか、またどのようにすれば効率よく検出するかを検討した。 その結果、pH2.1-3.0で回収よく、抗原と抗体が解離することがわかり、さらにサイトカインをPVDF膜に転写することにより、immuno blot法により感度よく検出できることがわかった。サイトカイン自己抗体は、抗G-CSF,IL-2,IL-8,TNF-alpha,VEGF自己抗体は複合体の形で100%の人に存在、IL-4,6,10,IFN-gammaは個人差があり、抗IL-3,M-CSF,OPN自己抗体は誰にも検出されないという結果を得た。また、これらの抗体はサイトカインを特異的に認識することも確認できた。14人の健常者の血清、1ロットの免疫グロブリン製剤について酸処理-限外濾過処理法を行い、抗サイトカイン自己抗体の分布を調べたところ、抗G-CSF,IL-2,IL-8,TNF-alpha,VEGF自己抗体は複谷体の形で100%の人に存在、IL-4,6,10,IFN-gammaは個人差があり、抗IL-3,M-CSF,OPN自己抗体は誰にも検出されないという結果を得た。
|