研究課題/領域番号 |
18659298
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渋谷 和彦 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (80206151)
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研究分担者 |
賀籐 均 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70214393)
杉村 洋子 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (70291698)
中村 嘉宏 東京大学, 医学部附属病院, 非常勤講師 (70292943)
小野 博 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (90376476)
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キーワード | 医療 / 循環生理学 / スペクトル解析 / 心拍変動解析 / エントロピー / 血圧変動解析 |
研究概要 |
1.初年度(平成18年)は、心拍変動解析装置をPICUモニターに接続し、リアルタイムで心拍変動を周波数解析するシステムの構築に時間を要した。解析装置や解析ソフトが従来のモニター情報を持続かつ安定して入力するために、接続プラグの見直しや解析装置への冷却ファンの設置など、適切な修正が必要であった。 2.現在は、実際の術後患者モニターからの心拍変動情報を安定的に即時解析することは可能となった。データの蓄積と、心電図、呼吸モニター、血液ガス値、薬剤の種類と投与量などとの相関関係の吟味を継続中である。 3.鎮静中の患者では迷走神経(HF)および交感神経(LF/HF)双方のパワーが顕著に低下し、刺激や気管内吸引といったエピソードで上昇した。心拍変動のエントロピー値も極めて低値で推移した。エントロピー値の上昇と血行動態の安定化には、一定の相関を認めた。 4.限られた症例数ではあるが、これまでのretrospectiveなデータ解析の結果、心拍変動解析による交感神経、副交感神経の緊張度と、臨床的医学情報との評価に加え、動脈ラインからの動脈血圧の変動も重要な指標である。従って、今年度は、リアルタイムで血圧変動のスペクトル解析も並行して行い、術後患者の循環動態安定化、あるいは不安定化、そして急変のリスク予見、などをretrospectiveに検討する予定である。 5.症例によっては心拍数が200/分を超えると、解析装置が正確な心拍数のカウントが不可能になる事態にも直面した。新生児、乳児を含めてのPICUモニター心拍変動解析が目的のため、頻脈状態での変動解析が実行できるよう、最大エントロピー法による心拍変動解析ソフト(MEM Calc)の修正や開発の必要性が判明した。
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