研究課題/領域番号 |
18659298
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中村 嘉宏 東京大学, 医学部・附属病院, 非常勤講師 (70292943)
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研究分担者 |
賀藤 均 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70214393)
小野 博 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90376476)
香取 竜生 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50313127)
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キーワード | 医療 / 循環性理学 / スペクトル解析 / 心拍変動解析 / エントロピー / 血圧変動解析 |
研究概要 |
1.新生児例など毎分200を超過する心拍数について、解析ソフトが心拍変動解析を実行出来ない事態に直面した。これまで指摘されていなかったソフトの問題であったが、ソフト開発会社と共同しこの問題を解決した。その結果、血行動態が不安定化する高度頻脈状態でも心拍変動解析が可能となった。また解析装置が原因不明の停止を繰り返すという問題を解決したこともあり、心拍変動解析が1週間連続という長時間でも可能となり、また安定化した。これは解析装置の開発としては十分な成果と考えられた。 2.通常の症例では1週間の連続記録で、血行動態の安定化をほぼカバー出来た。1症例につき連続1週間のデータを蓄積し、延べ77例、13000時間に及ぶ心拍変動(HRV)解析を施行した。この規模での即時的連続データの解析はこれまで前例がないため、貴重なデータの集積が施行されたと考えている。 3.平成19年度より導入を計画した血圧変動解析ソフトに関して、ソフト面での導入に問題はなかったものの、小児集中治療室(PICU)専用モニターからの信号情報入力に適した接続機材の特注が必要となり、導入が遅れた。平成20年度初頭より解析が安定化する。 4.心疾患術後の管理では循環動態の安定を確認するまで極めて深い鎮静下におかれるため、交感・副交感神経共にスペクトラムの振幅も低値であり、変動も極めて小さかった。鎮静からの覚醒に伴い心拍変動そのものが回復した。循環動態の安定化は、心拍変動の正常化と相関した。心拍変動が正常域に復するとPICUを退室する結果となった。 5.鎮静からの回復に伴い臨床的処置が多くなり、アーチファクトによるノイズが増える傾向にあった。今後はいかにノイズを除外して、臨床経過、従来の循環動態指標との相関を分析するかが課題となる。
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