1)Fast-GC/MSの至適分析条件の検討:標準混合液(いくつかの有機酸とアミノ酸)を作成して、従来の前処理法で処理したあとfast-GC/MS分析の至適条件を検討した結果、80℃から30℃/分昇温、325℃(3.2分保持)とした。Convenntional-GC/MSでは60分であったのに対し、fast-GC/MSでは12分で分析が可能となることがわかった。 2)Fast-GC/MSとconventional-GC/MSの分析データの比較:代表的な有機酸14種類の標準液を作成し、同じ試料をconventional-GC/MSとfast-GC/MSで分析して、感度、分解能、定量性と再現性などを比較たところ、分析時間が約1/5になるにもかかわらず、感度、分解能等は劣らないことがわかった。 3)島根大学GC/MSデータ自動解析・診断プログラムのfast-GC/MSへの応用の検討:従来のconventional-GC/MSでピーク保持時間をretention indexに換算しデータを編集している。これまで使用してきたデータをfast-GC/MSに応用したところ、一部でマイナーチェンジすべき化合物があったものの多くの化合物では、ほぼそのまま使用できることがわかった。 4)データベースの作成:有機酸、アミノ酸、脂肪酸などをfast-GC/MSで分析してデータベースを作成する(メチレンユニット、マススペクトル、および定量、定性イオンなど)。 5)正常者と患者検体の分析:正常時のデータを作成しはじめたところである。年齢別の正常値を作った後、患者の分析を行う予定である。
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