1)Fast-GC/MSとconventional-GC/MSの分析データの比較:有機酸14種類の標準液をconventional-GC/MSとfast-GC/MSで分析して、感度、分解能、定量性と再現性などを比較た。感度、分解能等は劣らないことがわかった。分析時間が約1/4〜1/5に短縮できる。 2)島根大学GC/MSデータ自動解析・診断プログラムのfast-GC/MSへの応用の検討:従来のconventional-GC/MSで編集したピーク保持時間をretention indexでfast-GC/MSに応用したところ、同じ液相のカラムであればほぼそのまま使用できることを確認した。conventional-GC/MSのデータベースを基本にしながら、メチレンユニット、マススペクトル、および定量、定性イオンなどのマイナーチェンジを行った。 3)正常者と患者検体の分析:正常時のデータを作成して、9種類の疾患15人の患者の尿を分析したところ、全例ともにFast-GC/MSで異常を検出し、正しく診断できることを確認した. 4)Negative-化学イオン化法(NCI)のFast-GG/MSへの応用のための基礎的研究:NCIイオン化法は、分子イオンが判定しやすく、また感度が一ケタ以上向上するイオン化法である。NCIではメチレンユニット計算するための炭化水素は検出できない。このため脂肪酸を特殊な誘導体化して、脂肪酸をもとにしたメチレンユニット計算する方法を考案した。脂肪酸によるキャリブレーションによるNCI-GC/MSが有用なことがわかったので、Fast-GC/MSへの応用、臨床応用を検討したい。
|