1)Fast-GC/MSによる患者検体の分析による実用性の検討 fast-GC/MSでは、従来よりも患者検体量を少なくしても感度よく短時間で、従来のconventional-GC/MSと同等の感度が得られることを確認した。 2)島根大学GC/MSデータ自動解析プログラムのFast-GC/MSへの適用 Conventional-GC/MS用に開発された"島根大学GC/MSデータ自動解析プログラム"をより簡便に扱うためにエクセルマクロを利用して"new GC/MSデータ自動解析プログラム"を作成した。このプログラムによって従来と同様の結果が得られ化学診断に問題がないことを確認した。 3)ネガティブ化学イオン化(NCI法)のFast-GC/MSへの適用 NCI法で分析すれば感度が上昇するが、炭化水素は検出できない。NCI-fast-GC/MSデータを"島根大学GC/MSデータ自動解析プログラム"に応用するために、メチレンユニット計算をするために用いる炭化水素混合物の代わりにNCIで検出できる脂肪酸の誘導体(PHF-TFA体)を応用し、従来のメチレンユニットへの変換(逆変換)が可能であることを確認した。 以上の研究成果から、fast-GC/MSが代謝異常診断機器として有用であることが確認できたので、GC/MS導入を考えている施設、特に発展途上国などにとってはさらに導入しやすくなった。
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