研究概要 |
家族性血球貧食症候群の原因遺伝子として、現在、perforin,Munc13-4,syntaxin l1が明らかにされている。我々は、全国よりEDTA採血により得た血液2-4mlを送付していただき、血小板と末梢血単核細胞を単離後、ウェスタンブロットにて、それら3因子の発現をスクリーニングする方法を確立した。Munc13-4、syntaxin11は、血小板に強く発現しており、通常の血小板数では血液0.lm1よりの血小板で明確に確認できた。血小板量を確認する目的で、血小板特異的integrinであるGPIIb(α_<IIb>)のウェスタンも同時に施行し、その量をあわせ比較した。血小板では、perforinは発現しておらず、リンフォプレップを用いた密度勾配法により単離した末梢血単核細胞を用いた解析を確立した。末梢血単核細胞(PBMC)および血小板においてRab27の発現も確認できたが、これらの細胞においてはGriscelli症候群の原因となるRab27Aの他にRab27Bが発現しており、既存の抗体では識別困難である。今後Rab27A特異的な抗体の作成が必要である。我が国の小児白血病・リンパ腫研究の全国組織であるJPLSGに加わり、診断に寄与してきた。本年度は、perforin遺伝子のmissense変異(コンパウンドヘテロ)による60歳成人易感染例を見出した。また、Kikuchi病患者における上記タンパク質の発現を解析した。さらに、我が国における血球貪食症候群の全国調査を行い、その概要を明らかにした。
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