研究課題
本研究の目的は、sh-RNA法とレンチウイルスベクターの技術を融合したノックダウンマウスの作製法を樹立することである。この技術が確立されれば低コストで短時間に多くの遺伝子の機能が抑制されたマウスを作製することが可能となり、皮膚科領域のみならず、生物、医学研究の発展に大きな貢献ができるのではないかと考えられる。具体的には、プロトタイプモデルとしてToll-like recptor(TLR)アイソタイプを同時に抑制するトランスジェニックマウスを作成する。TLR2,TLR3の発現を効果的に抑制できるsh-RNAを作製し、レンチウィルスベクターに組み込んだ。このウィルスベクターを角化細胞に導入し、抑制効果を確認した。生後1日の新生児マウス背部皮膚を剥離切除しディスパーゼ処理、続いてトリプシン処理を行い、低カルシウム無血清培地をもちいて表皮細胞を培養した。レンチウイルスベクターをMOI20にて感染し48h後にtotal RNAを回収した。標的配列を持つウイルスの効果をコントロールスクランブル配列と比較してABI prismを用いてreal-time PCRを行った。TLR2,TLR3のリガンド刺激においてシグナル伝達は抑制されていた。レンチウイルスベクターのpLe-U6iのU6 promoterとsh-RNA配列の間にバクテリオファージ由来のloxP配列、終止配列(TTTTTT)、loxP配列をタンデムにつないだスタッファーを挿入しsilent-lentivirus vector(U6LSL-shRNA,LSL=loxP-stop-loxP)を作製した。このベクターを用いてトランスジェニックマウスを作製する準備までは完了したが、実際のマウス作製には至らなかった。
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