研究課題/領域番号 |
18659330
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
岡田 元宏 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (10281916)
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研究分担者 |
上野 伸哉 弘前大学, 医学部, 教授 (00312158)
福澤 雅志 弘前大学, 農学生命科学部, 助教授 (10231557)
朱 剛 弘前大学, 医学部, 助手 (80400133)
森山 朋子 弘前大学, 医学部, 助手 (90400134)
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キーワード | てんかん / 遺伝子 / 分子生物学 / 神経伝達 |
研究概要 |
家族性及び孤発性てんかん患者から発見された遺伝子変異を導入した遺伝子改変モデル動物を作出し、その分子病態の解析を行った。これまでに、3種類の遺伝子を導入したトランスジェニックラットと1種類のノックインマウスの作出を完了し、2種類のトランスジェニックラット作出作業中である。 作出完了した遺伝子改変モデル動物は、順次、てんかんモデル動物としての妥当性を、表現的妥当性(てんかん発作症状が人てんかん患者の発作と同等であるか否か)・構造的妥当性(予測される病態が人と同等であるか否か)・予測的妥当性(人患者への治療反応性が同等であるか否か)として評価した。 現在のところ、少なくとも一系統は"てんかんモデル動物"としての妥当性を満たしていることを明らかにし、この分子病態の解析に着手し、責任遺伝子(変異遺伝子)から合成される変異タンパクの機能のみで、直接的にてんかん発作の発現が生じるのではなく、むしろこの機能変異を発端とした、情報伝達系の歪みが、てんかん分子病態の構造的原因である可能性を示唆する実験結果を得た。 以上の結果は、てんかん分子病態の進展を防止することが、従来の発作発現・発作持続の抑制を主要標的としたてんかん薬物療法と異なる、てんかん治療の新たな標的となりうる可能性を示唆する物である。現在、この仮説を証明するための、てんかん病態の発達過程を阻止する薬力学的研究として、てんかん分子病態進展防止しうる低分子化合物のスクリーニングに着手している。
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