研究課題/領域番号 |
18659337
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
南光 進一郎 帝京大学, 医学部, 教授 (60101127)
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研究分担者 |
上野 美華子 帝京大学, 医学部, 特別研究員 (00398736)
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キーワード | レトロポゾンAlu / 統合失調症 / メチル化解析 / 新規挿入 / 一卵性双生児統合失調症不一致例 / DNA Walking法 / Nested PCR法 |
研究概要 |
近年、精神疾患においても次々と報告されているメチル化異常は、レトロポゾン新規挿入の可能性を強く示唆するものである。そこで、われわれは「統合失調症や気分障害の遺伝的基盤は、メチル化の緩みによって、転移因子が遺伝子の構造および機能変化を起こしたことにある」とのエピジェネティクスとゲノム不安定性を融合した仮説を提唱し、レトロポゾンの患者特異的挿入領域の同定を目指している。本研究では、一卵性双生児統合失調症不一致例を対象に、ヒトレトロポゾンAluの新規挿入領域の同定およびそのメチル化解析を行い、統合失調症との関連について検討した。前年度の研究で得られた11の遺伝子領域における患者特異的Alu挿入領域について、DNA Walking法およびNested PCR法などを適宜組み合わせて挿入領域近傍の増幅を行い、そのシーケンス解析を行った。その結果、2つの遺伝子領域において、新規Alu挿入変異の全域を同定し、さらに新規Alu挿入による二次変異を明らかにした。すなわち、患者ゲノム内で新規Alu近傍領域の重複、対照ゲノム内で新規Alu近傍領域の欠失の二次変異が、異なるパターンで引き起こされていた。また、前年度の研究で得られた患者特異的Alu挿入領域のうち、完全長のAlu挿入が確認された2領域についてメチル化解析を行ったところ、CpNpG部位の高メチル化が確認された。今後は、引き続き得られた遺伝子領域の変異解析とメチル化解析をおこない、統合失調症との関連を明らかにしていく予定である。
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