研究課題/領域番号 |
18659340
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
玉木 長良 北海道大学, 大学院医学研究科, 教授 (30171888)
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研究分担者 |
犬伏 正幸 北海道大学, 大学院医学研究科, 特任助手 (70399830)
久下 裕司 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (70321958)
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キーワード | エミッショントモグラフィ / デオキシグルコース / 動脈硬化 / アポトーシス |
研究概要 |
本研究では最適な放射性薬剤を用いて組織のさまざまな分子機能を映像化できる核医学検査の特徴を活かして、動脈内の不安定プラークの診断、評価を試みる研究を行い、次の4つの結果を得た。 1)動脈硬化モデル動物としてApoEノックアウトマウス、コントロールとしてwild typeのマウスを購入し、高脂肪食を与え、5週間後および25週間後の状態で種々の程度の自然発症の動脈硬化モデル動物を作成した。病理組織学的にこのモデル動物では週齢と共に動脈硬化が進展することを確認した。 2)このモデル動物において、Tc-99m標識アネキシンV、およびF-18標識FDGを投与し、大動脈への集積度をオートウェルカウンターを用いて定量的に測定し、血管内のアポトーシスおよびマクロファージの活動性をそれぞれ映像化することを試みた。 3)動脈硬化進展の程度を示す病理組織学的指標として脂肪染色(Oil red staining)を利用し、Ex vivoでの対比を行った結果、Tc-99m標識アネキシンVおよびF-18標識FDGの集積はとの間に有意な相関(それぞれR=0.64,R=0.56)が見られ、これらの薬剤の集積が動脈硬化の進展度を反映していることが確認できた。 4)両薬剤の集積度を対比したところ、Tc-99m標識アネキシンVの集積はF-18標識FDGより低かった。またTc-99m標識アネキシンVの集積は、高度病変の初期病変に対する集積の比率は高い傾向があった。このように両者の集積はそれぞれ動脈硬化病変の異なる病巣を反映していることが示唆された。
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