研究課題/領域番号 |
18659341
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山田 章吾 東北大学, 病院, 教授 (60158194)
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研究分担者 |
松木 英敏 東北大学, 工学系研究科, 教授 (70134020)
仲田 栄子 東北大学, 医学部, 助教 (60375201)
森 一生 東北大学, 医学部, 教授 (90375171)
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キーワード | がん / 放射線治療 / マイクロ線量計 / 体内埋め込み型 / CdTe半導体 / リアルタイム線量計 |
研究概要 |
放射線治療は定位放射線治療、強度変調放射線治療(IMRT)に始まり、近年急速に進歩している分野で、照射精度の向上も著しい。にもかかわらず過剰照射、過少照射などの放射線治療医療事故が多発している。こうした医療事故の原因は体内の照射線量をリアルタイムにモニタができないことに起因する。リアルタイム式体内刺入型マイクロ線量測定システムが開発されれば、その信号を元に治療装置の制御が可能であり、正確な照射線量投与と同時に、医療事故を皆無にできる。本システムは放射線治療を行う上で必須のシステムであるが、放射線検出方法および体外モニタリングが困難なことから、いまだ開発に至っていない。私どもは工学系研究科の石井研究室との共同研究により、実際のリニアックによる線量率1〜6Gy/minのX線照射に対してCdTe結晶が線量に比例して20〜90nAの微弱な電流を発生することを確認した。本電流は照射開始と同時に発生し、照射終了と同時に止まることも確認しているので本線量計によりリアルタイムのモニタリングが可能である。微弱な電流を増幅し、体外で信号を受信する通信方法にはRF-ID方式がよく、通信搬送波13.5kHzが最適で、体内20cmからの信号受信には総電力として10^<-6>W程度の電力供給が必要なことを実験および計算から得た。現在、松木研究室と共同で、送受信コイル作製、電力・伝送システム開発を行い、体内充電池の付加電圧を5Vとするためには0.92mTの磁束密度が必要で、CdTe、電池、および発信コイルを含めた刺入デバイスを体内に刺入可能な直径2mm以下、長径15〜20mm以下にすることは計算上可能であるとの実験結果を得ている。本研究は「体内埋め込み型リアルタイム式マイクロ線量計装置ならびに測定方法」として2007年3月特許を取得しており、早急に実用化を図る予定である。
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