研究概要 |
SLC22およびSLCOに属する29の遺伝子について、NCI-60(細胞株)におけるmRNAの発現を、TaqManプローブ(Applied Biosystems)を用いたリアルタイム定量RT-PCRにて調べた。次に、NCIのWebサイトから、NCI-60の、40,000種の薬剤に対する感受性データを入手した。40,000種の薬剤から、1,429種の、抗癌作用を有する薬剤を選び、それらに対するNCI-60の感受性パターンと、遺伝子発現パターンのPearson correlation coefficientを算出した。解析の結果、高い相関を示すSLCと薬剤の組み合わせが複数抽出された。その中で、SLC04C1と抗癌剤gemcitabibeが比較的高い正の相関を示すことに注目した。SLC04C1が、gemicitabineの感受性に関与しているか否かを確認するために、SLC04C1を強制発現させた細胞とその親株との間で、感受性の違いをみることとした。まず、SLC04C1のトランスフェクタント(stable transfectant)の作製を試みた。完全長cDNA(OriGene)をpcDNA 3.1/V5-His TOPO TA Vector(Invitrogen)に組み込み、SLC04C1を内在的に発現していない細胞株KB-3-1にトランスフェクトした。トランスフェクタントにおけるSLC04C1のmRNAレベルの上昇をリアルタイム定量RT-PCRにて確認した。しかし、蛋白レベルでも発現があることをみるためにWestern blotを行ったところ、細胞膜における発現が確認できなかった。
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