研究課題/領域番号 |
18659361
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
片寄 喜久 秋田大学, 医学部, 講師 (40282165)
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研究分担者 |
小川 純一 秋田大学, 医学部, 教授 (20112774)
吉村 昇 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (60006674)
水戸部 一孝 秋田大学, 工学資源学部, 講師 (60282159)
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キーワード | 乳癌 / テラヘルツ波 / 微小転移 |
研究概要 |
現在直径2mm以下の転移は微小転移とされ、その臨床的意義は未だ結論が決定していない。しかし臨床においては、センチネルリンパ節への微小転移の有無は腋窩郭清追加の決定事項であり、その診断は非常に重要である。現在転移の有無は病理学的検索によるところが大きいが、RT-PCRなど分子生物学的手法も開発されている。我々は最近研究が盛んに行われ始めた、テラヘルツ波を用いた乳がんのセンチネルリンパ節への微小転移診断を目的に、当研究を開始した。 テラヘルツ波を用いてホルマリン固定、パラフィン包埋ブロックを用いた乳がん組織の測定を行った。腫瘍の輪郭をある程度は描出可能であったが、明確な測定は困難であった。これは標本の処理による細胞変性が原因と考えられた。また、がん本体部分と、周囲組織部分への浸潤部の境界の鑑別もやや困難であった。新鮮摘出標本による測定が必要であるが、テラヘルツ波は水分による吸収が著しく、この問題を解決すべく、乳がんと正常乳腺組織の摘出標本の新鮮凍結標本を用いる事とした。標本は固定液に包埋後、液体窒素にて固定、約2mmの厚さの標本を作製、装置全体を低温下に置き、テラヘルツ波を用いた測定を今後予定している。テラヘルツ波による測定には、透過光を検出する方法と反射波を検出する2つの方法があり、両者の相違についても検討し、より診断方法にすぐれている検出法を検討する。またテラヘルツ波の出力上昇や装置の改良により、解析能力の向上と測定時間の計画している。
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