研究課題/領域番号 |
18659382
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西田 俊朗 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (40263264)
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研究分担者 |
仲 哲治 独立行政法人医薬基盤研究所, 基盤的研究部, プロジェクトリーダー (30303936)
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キーワード | 神経鞘腫 / 平滑筋腫 / 消化管間質腫瘍 / 糖鎖修飾 / チロシンキナーゼ活性化 |
研究概要 |
我々はGISTの発生と増殖の一因として、KIT或いはPDGFR□遺伝子のgain-of-function mutationsを明らかにした。本研究ではこれに引き続き、(1)KITとPDGFR□遺伝子に変異を認めない若年性GISTの発生原因、KITタンパク質の活性化原因を追及し、また同時に(2)GISTの類縁腫瘍である神経鞘腫と平滑筋腫・平滑筋肉腫の原因遺伝子検索を行う予定である。本年度は (1)KITとPDGFR□遺伝子に変異を認めない若年性GISTに対し、1.遺伝子に変異を認めない若年発症型GISTに特異的にリン酸化の修飾を受けた蛋白のバンドを確認、質量分析計を用いてKITであることを確認、その分子量が通常のKIT蛋白より小さい事を確認した。2.若年発症型GISTでKIT下流の増殖シグナルであるSTAT、AKT、MAPKのそれぞれの活性化を確認した。3.通常型GISTと若年発症型GISTのKITのN型糖鎖の修飾を切断したところ同じ分子量になり、通常型と若年発症型の間にN型糖鎖の修飾の差が示唆された。シアル酸切断酵素にて処理しても同じ分子量となり、シアル酸修飾の差が示唆された。4.DNA-micro arrayによりmRNAの発現の差異と比較し、いくつかのシアル酸付加酵素の発現の低下を認め、特にN型糖鎖の末端のGalのシアル化に関与する働きのあるST6GAL1の発現の著明な低下を認め、northern blotting & western blottingでも若年発症型GISTでST6GAL1の発現の著明な低下を確認した (2)GISTの類縁腫瘍である神経鞘腫のプロテオーム解析でシグナル伝達系を検索した。1.チロシンリン酸基に対する抗体で膜タンパク質を沈降すると120kD部位に特異的にリン酸化を受けたタンパクを認めた。2.LC/MSとMALDI-TOF/MS解析するとこのタンパク質はBand 4.1-like protein 2(protein 4.1G)である事が確認された。
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