研究概要 |
生体資料である胆汁の使用については臨床研究倫理審査委員会に申請し承認を得た。また、胆汁を採取する患者からはすべて臨床研究同意書による承諾を得ている。 研究に使用する胆汁は当科入院の胆道癌患者術前の通常検査としてのERCPまたはPTCD施行中に採取している。現在20例ほど採取済みである。 胆汁中の細胞は不安定であるため、DNA抽出は当初は困難であったが、遠心法、 DNA抽出法(QIAamp DNA Micro kit)を工夫することにより、現在は10mlの胆汁から平均で5ugのDNAの抽出が可能となった。 抽出したDNAを用いて現在、胆嚢癌でメチル化を確認、あるいは報告されている遺伝子(E-cadherin, p16,CHFR, RASSFIA, RUNX3,MGMT, hMLH1,DAPKなど)に対してMSPによりメチル化解析を行い、データを集積中である。 これと並行して胆嚢癌細胞株4種類より抽出したDNAを用いて、メチル化プロモーターマイクロアレイ (AVIVA Systems Biology)により、胆嚢癌特異的にメチル化されている遺伝子を検索中である。これにより感度の高い遺伝子のリストを作成して診断能を高めうると期待している。 次年度からは胆汁中DNAによりメチル化プロファイルでの後ろ向き検証を行い。これが確認されれば、これらの遺伝子を搭載した独白のプロモーターアレイを作成し、前向きに胆汁診断を行い検証する予定である。
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